OAuth認証とは?SaaS自動化における意味をわかりやすく解説
OAuth認証とは(SaaS自動化における意味)
OAuth認証は、SaaSなどのサービス間連携で、ユーザーのパスワードを直接共有せずに別のサービスへのアクセス権を与える仕組みです。
要するに、連携先にIDやパスワードを渡す代わりに、許可した範囲で自動化ツールがAPIなどへアクセスできるようにする仕組みです。
「OAuth認証」と呼ばれることがありますが、OAuthの主な役割は本人確認ではなく認可です。つまり「誰であるか」を確認するよりも「どのサービスにどこまでアクセスを許可するか」を扱う仕組みだと考えると分かりやすいでしょう。
サービスによって同意画面や権限の名称は異なります。表示された権限をそのまま許可するのではなく、自動化に本当に必要な操作なのかを確認してから接続しましょう。
自動化フローの中での役割
iPaaSやワークフローからSaaSへ接続するときは、OAuthの認可フローを使ってアクセスを許可します。認可が完了するとアクセストークンが発行され、自動化ツールはそのトークンを使って許可されたAPIへアクセスします。
許可する操作の範囲をスコープで指定できることもOAuthの特徴です。たとえば読み取りだけが必要なら書き込み権限を与えないなど、対応しているサービスでは必要な範囲に権限を絞れます。ただし、利用できるスコープはサービスによって異なります。
トークンには有効期限が設定される場合があります。OAuthではリフレッシュトークンを使って新しいアクセストークンを取得できる構成もあり、長期間の自動化を継続しやすくなります。ただし、リフレッシュトークンが発行されるかや失効条件はサービスによって異なります。
どのアカウントの権限で接続しているのかを把握しておくことも重要です。個人アカウントに依存した接続では、担当者の異動や退職によって連携に影響が出る場合があります。組織で管理できるアカウントを利用できるなら、担当者が変わっても管理を続けやすくなります。
よくある利用シーン
例1:問い合わせフォームから顧客管理SaaSへ自動登録するフローです。フォームから情報を取得し、顧客管理SaaSへ新しいレコードを作成します。各サービスが必要な権限を個別に設定できる場合は、読み取りや作成など実際の処理に必要な範囲だけを許可します。
例2:入社時に複数のSaaSへアカウントや権限を設定するフローです。人事システムの情報をもとに、ストレージやチャットなどへ必要な設定を反映します。組織で管理するアカウントを接続に使い、部門や役割に応じて必要な権限だけを設定する構成が考えられます。退職時には不要になった権限を停止・削除する処理を別途設計します。
注意点
OAuthを使った自動化を運用するときは、次のポイントを確認しておきましょう。
- 最小権限を意識する:対応している場合は必要なスコープだけを選び、不要な書き込みや削除権限を与えない。
- 接続の主体を決める:個人アカウントに依存せず、組織で管理できるアカウントを利用できるか検討する。
- 期限と更新を確認する:アクセストークンの有効期限や、期限切れ後にどのように再認可するのかを確認する。
- 取り消し手順を準備する:連携が不要になった場合や問題が発生した場合に、認可を取り消す方法を確認しておく。
- 環境を分ける:可能であれば検証と本番でアカウントや接続先を分け、本番データへの影響を抑える。
自社の運用に合った接続方法を確認するために、お使いのiPaaSや各SaaSの公式ドキュメントを確認しましょう。必要な権限やトークンの扱いを把握し、テスト用のデータで接続やエラー時の動作を確認しておくと安心です。
関連用語
- アクセストークン:許可された範囲でAPIなどへアクセスするときに使う認可情報です。有効期限が設定される場合があります。
- リフレッシュトークン:新しいアクセストークンを取得するために使われる認可情報です。OAuthの構成によっては発行されない場合もあります。
- スコープ:アプリケーションに許可する操作やデータの範囲を示すものです。対応しているサービスでは必要な権限だけを指定できます。
- コネクション(接続設定):iPaaSなどに登録するSaaSとの接続設定です。認証・認可情報をもとに自動化フローからサービスへアクセスします。
よくある質問
パスワードを保存する方式と比べて何が良いのですか?
OAuthに対応しているサービスでは、SaaSのパスワードを自動化ツールへ直接渡さずにアクセスを許可できます。また、スコープに対応していれば許可する操作の範囲を指定できます。ただし、OAuthを使えば必ず安全になるわけではなく、権限やトークンの管理も重要です。
個人のアカウントで接続しても問題ありませんか?
業務で長期間使う自動化では注意が必要です。個人アカウントに接続が依存すると、異動や退職によって認可が失われたり、管理者が変わったときに接続先を把握しにくくなったりすることがあります。組織で管理できるアカウントを利用できる場合は、そちらを検討するとよいでしょう。
OAuth認証が失効すると自動化は止まりますか?
認可が取り消されたり、必要なトークンを取得できなくなったりすると、その接続を使うAPI処理が失敗する可能性があります。リフレッシュトークンによる更新に対応している場合でも、リフレッシュトークン自体が失効すると再認可が必要になることがあります。エラー通知や再認可の手順をあらかじめ確認しておきましょう。